中日新聞 夕刊に、「ようこそ!里山オフィス-古民家にIT企業誘致」という見出しで取組が紹介されました。

「ようこそ!里山オフィス」ー古民家にIT企業誘致

岐阜県飛騨地域で、空き家となった古民家にIT(情報技術)企業などの事務所を誘致する「里山オフィス事業」が始まった。豊かな自然と、都会と変わらぬ快適なインターネット環境が売り。今夏から都市部の企業に社員研修や仮事務所の場として短期滞在してもらい、来年以降に正式な誘致を目指す。

飛騨・高山でスタート

古民家再生やまちづくりに取り組む建設業「柳組」(柳七郎社長)とコンサルティング業「美ら地球(ちゅらぼし)」(山田拓社長)=ともに飛騨市古川町=が発案した。

両社によると、飛騨市と高山市には築50年以上の空き家が500軒以上ある。商家や庄屋、養蚕農家だった家は10部屋以上で、企業が自由に使える広さを有している。さらに、飛騨地域は大容量の情報処理できる光ファイバー網が整備され、民家への接続もすぐにできる。

アイデアは岐阜県の緊急雇用事業に認定され、両社は県の費用で今月、三人の社員を採用。都市部の企業への誘致や、事務所として開放できる古民家の調査を進めいている。

先進例は、徳島県の山あいにある人口6千人余りの神山町。2010年からIT企業6社が古民家に事務所を開設した。賃料は月2、3万円程度。ネット利用者が少なく、通信速度が首都圏に比べて2、3倍も速い。

築80年の古民家にサテライトオフィスを開いたシステム管理業ダンクソフト(東京都中央区)は、プロジェクトごとに10人前後の社員が1、2週間ずつ働く。社員はパソコン一つで、庭や川原などで仕事に取り組む。

当初の狙いは震災を踏まえたリスク分散だったが、「満員電車に乗らずに済むだけで、発想力や生産性が高まる」と現地責任者の山下拓未さん(34)。祭りなど地域住民との交流を通じて「社員の心の成長や円滑な人間関係など予想外のメリットもあった」という。

飛騨のオフィス事業では、観光地「飛騨高山」の知名度や、北アルプスのふもとにある自然の豊かさをPRする。山田社長は「環境と人のつながりが深い生活空間を存在させ、『持続可能な田舎』を築きたい」と話している。(中日新聞 2012年5月14日 夕刊)