飛騨「農泊」に懸念の声 既存の業者「公平でない」

飛騨市の観光関連業者や市でつくる飛騨地域里山資産活用協議会が、農林水産省が進める「農泊」事業への申請を計画している。補助金を活用し、同市古川町の空き家を改修して宿泊施設を始める考えだ。だが市内の複数の宿泊業者からは、市が入った協議会の新規参入は、競争の公平性を欠くのではないかと懸念の声が上がっている。

 農泊は、訪日観光客などを地方の農村部にも波及させようと、農水省が二〇一七年度に始めた。農村部で伝統的な生活体験や食を楽しんでもらう。事業者には、五千万円を上限に、施設整備費の二分の一を国が交付する。

 一八年度の申請は二十三日が締め切り。補助の条件には、中核となる法人や自治体が入った地域協議会をつくることや、地域一体となった事業計画、自然景観への配慮などがある。自治体の認可を得ることも必要だ。

 飛騨地域里山資産活用協議会は、昨年十月に発足。観光コンサルティング会社「美ら地球(ぼし)」(同市古川町弐之町)が中心となって運営し、柳組(古川町宮城町)、白栗不動産(高山市国府町)、飛騨市の四者でつくる。

 事業では、空き家数軒を改修して宿泊施設とする計画。美ら地球の担当者は「空き家が増える中、飛騨市に泊まってもらい地域を活性化させたい。飲食は外でしてもらうことを考えている」と話す。

 同協議会は二、三月にそれぞれ、宿泊事業者と一般向けの説明会を開催。希望があれば協議会に参加できることを紹介した。今後、新たに一事業者が参加する見込みという。

 これに対し、既存の宿泊業者らは反発。競争激化を見込み、ゲストハウス経営者は「市がこれを認めるようでは安心してビジネスができない」と訴える。市旅館組合に加盟する経営者は「既存の業者を圧迫する可能性があり、市が支援するのは公平でない。地域の合意が取れていないことに問題がある」と指摘する。別の経営者からは「今ある施設が苦しめられることがあってはならないが、町中が活性化するのは良いことだ」と前向きな受け止めも聞かれた。

 公平さを保つ観点から、市担当者は「他にもやりたいところがあれば新たに協議会をつくれるし、市も応援する」と説明。協議会には、市観光協会や宿泊業者の賛同を得るよう求めているとし「地域の合意形成は必要と思っており、認可は、こうしたことを踏まえて慎重に判断する」と話す。(浜崎陽介)ー中日新聞 2018年3月21日飛騨版より

 

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