飛騨地方と里山、そして”Satoyama”

日本のほぼ中央に位置し、四方を山々に囲まれた飛騨地域は、明治、大正期まで大変アクセスが悪く陸の孤島でした。
今もなお、日本のどの都市からも遠く、地形に守られてきた飛騨の独特な暮らしが営まれています。

京都や江戸から持ち込まれた文化は、飛騨の自然や人により
歳月をかけて飛騨の文化へとアレンジされていきました。
今では「日本らしさ」を求める外国人をも虜にする営みが残ります。

「里山」とは人間の住む「里」と自然の「山」との境にある空間。自然と人が共存してきた環境のことです。

現代の日本人にとっても、「懐かしく」、そして「新しい」satoyamaです。

飛騨の里山の風景 春

古川祭り

 草履

飛騨の古民家

飛騨の風景に欠かせない古民家。
大きさ、造り、意匠、木材、歴史、全てにおいて文化財級のものが数多くあります。

さかのぼれば、大和朝廷の時代から飛騨国は優れた大工技術を持つ「飛騨の匠」が
いるところとして知られており、平城宮や京の造営に活躍しました。
「飛騨の匠」を派遣する見返りとして、租・庸・調のうち、庸・調という税が免ぜられた時期もありました。

今もなお、飛騨の古民家に残る仕口や継手といった伝統工法で建てられた古民家や町家に、
時間や自然だけが生み出せる木の風合いや色合いが加わり味わい深い家屋が残ります。

高度な構造や意匠、自然との調和などあらゆるところに匠の技術が蓄積され、
その素晴らしさは建築家の安藤忠雄氏やブルーノ・タウト氏にも称賛されています。

かんな飛騨古民家 何百年も雪を耐えてきた梁飛騨建築 雲

飛騨民家調査

飛騨里山オフィスプロジェクトでは古民家や空き家に関するリサーチを実施してまいりました。

浮き彫りとなった飛騨地方の文化的危機           (山村民家調査、2009-2013)

本プロジェクトのパートナーである(株)美ら地球は、過去3年間に亘り飛騨地方における1274戸の古民家を調査してきました。その結果、約2割は空き家、3割以上は2人以下の居住で、高齢化も進んでおり、居住者の多くが維持していく負担を重く感じていることがわかりました。このままいけば、世界に誇る飛騨の古民家は20年後には3割~5割消滅する可能性が高いと予測。歴史的価値がありながらも地域内全体の空き家の増加、廃屋化という飛騨地域の問題が浮き彫りになりました。

空き家の増加、住み継ぐ人も減っている

空き家に関する予測、その利活用への障害(飛騨市内 住居調査・聞き取り調査、2012-2013)

2012年、飛騨市内(古川町、神岡町、河合町、宮川町)の戸建家屋8,333棟調査を実施しました。この定量調査では、「既空き家」や「65歳以上のみで暮らす家屋」をはじめ、家屋の使用状況を調査、分類し、空き家の現状や将来的な推移、そして各4町での異なる空き家化への傾向を把握に努めました。
同時に、既空き家の所有者が抱く利活用への弊害を理解すべく、聞き取り調査をも実施。周辺住民が持つ地域経済や防災、防犯への空き家化へ抱く危機感とは裏腹に、75%以上の所有者が利活用への意識が薄く、動機を刺激できる新しい利活用方法の必要性を感じる結果となりました。

 

飛騨で暮らせる古民家

飛騨里山オフィスプロジェクトは、建設会社(株)柳組建築チームが運営する「飛騨のくらしを考える」事業です。過疎化の進む飛騨古川ですが、飛騨地域の新しい魅力を探していきます。