山之村の虫供養
山之村

山之村地区の虫供養の様子

飛騨の農村地域では、秋になると「虫供養」と呼ばれる祈りが行われます。 「虫供養」とは、農作業中に殺してしまった虫の魂を供養し、豊作をお祈りすることです。都会ではあまり知られていませんが、毎年秋に全国各地の農村地域で行われています。

 

ここ飛騨の山之村にある森茂という地域でも虫供養が行われています。 しかし、森茂の虫供養は一般的な虫供養とは少し違っています。

 

森茂では、7月の中旬と8月のお盆の年2回、観音堂で虫供養が行なわれますが、実は虫の供養をするのではなく「大原騒動」」で亡くなった人々の霊を慰めるために行われています。

 

「大原騒動」とは、江戸時代の中ごろ飛騨代官の過酷な年貢の取り立てに反抗して起きた大規模な百姓一揆で、森茂からは20名程が参加し亡くなったことが観音堂の過去帳に記されています。この時代、暴徒は反逆者とみなされていたため、公に供養をすることができませんでした。そのため、この時代の人々は虫供養の名を借りて、秘密に大原騒動で亡くなった人の魂を供養していました。

 

このように、虫供養にはいろんな意味が込められています。もし他の地域で虫供養に出会った際に、その歴史を聞いてみると隠された秘密に出会えるかもしれません。

(この記事はSatoyamaExperienceの過去の記事です)

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