神社の境内で舞う獅子

金蔵獅子金蔵獅子は、村を乱す悪い獅子を男神と女神が懲らしめるという物語を勇壮活発な踊りで表現したものです。毎年、9月中旬に高山市国府町に400年ほど前から伝わり、加茂神社、諏訪神社で奉納されています。

金蔵獅子は、豊作を祈る民俗芸能であり、国府町を代表する祭礼行事です。また、県の無形民俗文化財にも指定されています。獅子舞は各地で伝承されており、他にも飛騨エリアで天狗やおかめの登場する獅子舞はありますが、その踊りで表現する物語は少しずつ異なるのが面白いところです。

物語はこうです。古老の話によると、ある部落に野獅子が出没して田畑を荒らし、百姓を困らせていました。そこへ勇敢な金蔵という若者が現れ、その獅子退治に向かいます。金蔵に想いを寄せ得るおかめが一緒に行きたがりますが、金蔵は女の身ではと追い返します。結局はおかめの手助けもあり、金蔵は獅子を打ち取ることが出来ました。その後、農作物は荒らされることなく豊作が続き、部落は非常に栄えたそうです。

しし2

天狗とおかめに倒された獅子

部落民は若い2人の協力によって退治出来たことを喜び、金蔵を猿田彦命、おかめを猿女命として祀り、例祭には幽かな笛と太鼓とすがり音の音に合わせて舞踏化し、五穀豊穣と家内円満を祈願して奉納する獅子舞となりました。

金蔵獅子では、1舞に20分を要し、獅子舞としては長いですが、アクロバティックでわくわくする場面が続くので人々を飽きさせません。獅子が舞っていると、天狗の面をつけた金蔵が短棒を持って向かって行き、獅子と戦います。獅子が衰えるのを見ると、背中に乗り移りますが、獅子は振り落とし逆襲をしようとします。一方、おかめは、ササラを打ち鳴らし、獅子の気をそらし金蔵を助けていますが、金蔵が振り落とされるのを見て介抱します。獅子が疲れて休むと、体力の回復した金蔵は獅子の頭を短棒で打ち倒し、格闘のすえ退治します。

現在金蔵獅子を舞うのは、集落の若者達です。伝統を受け継ぎ、守り続けている若者達は気迫十分で見る人を感動させてくれます。このような祭りは、あちこちの神社で行われ、都会へ出て行った若者もこの日ばかりは帰ってくる、ということが多いようです。子供たちの踊りなどもあり、女性は祭り料理に精を出したりと、祭りは集落の老若男女全てが参加します。今でも集落の絆を深めるのになくてはならないものなのです。

 

(この記事はSatoyamaExperienceの過去の記事です)

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