手斧(チョウナ)

飛騨の匠の道具 ちょうな写真

体格に合わせ柄の部分が曲がっているのが特徴である手斧。

手斧は大工が使う三種の神器のひとつ(残る二つは差し金と墨壺)で、室町時代以前は割り割いた木材を平面にするために使われていた道具でした。

手順としては、斧で木を切り倒してから枝を落として、鉞でざっくりとした四角にし、手斧はその後より精確な四角にするために使われました。手斧で粗い面を削っていくことは「はつり」と呼ばれます。はつりを行った後、他の地域では槍鉋(ヤリガンナ)で面をきれいに仕上げることがありますが、飛騨地域では、魚の鱗のように規則的に面取りすることで、デザイン性を高めた仕上げにしています。

山で木を切り倒す作業は「そま屋=木こり」と呼ばれる職人が行いました。その後、作業場に材を降ろして大工が鉞や手斧で角材に成形していきました。

手斧は柄が曲がっています。その理由は、はつり作業をするときに刃が深く刺さり過ぎることを防ぐ、また自分の足に刃が跳ね返って傷つけることを防ぐためです。飛騨では、雪の重みで自然に木が曲がります。その後、火であぶったり、熱湯に入れたりしながら角度を自分好みに調整して刃をつけ、自分の体格にあった角度の手斧を作りました。また、飛騨の手斧の特徴は、柄の部分がグミの木で出来ていることです。これは、柄がケヤキなどの堅い木だと叩いたときに手がしびれてしまうためで、グミの木は柔らかく衝撃を吸収するので、柄として使われてきました。

このように、飛騨の職人は、自分の身体だけにあった手斧を使用し、自分の足を傷つけない用に訓練して、鱗模様の美しい梁などを作っています。

 

(この記事はSatoyamaExperienceの過去の記事です)

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